道具、 道具、 道具、 道具。 人、 人、 人、 人! アメリカ在住の友人が帰省中にSpoonfestという年に一度行われるSpoon Carvingのお祭りに行きたくて、それに便乗する為に一緒にホリデーを過ごす事になった。 私はもっと松本のクラフトフェアのようなものを想像していたのだが、着いてみて雰囲気が違う事にすぐに気がついた。 フェアというよりは合宿のような感じで、参加者の人たちは敷地内にテントを建て、そこに3日間滞在しながらworkshopに参加して、黙々とスプーンを彫るというものだった。 ここにいる人達はファッションでもなんでもなく、そういう生半可じゃない本物の人達で、私達よそ者は静かに様子を伺っていた。 最近はライフ系マガジンも充実して、いろいろな生活の提案がなされているのだけど、そういうものじゃない、もっとシリアスな、熱いものを感じた。 好きな世界に没頭する、とても素敵な事だと思った。 友人も木工を本業としていて、スプーンも作るのだけど、森に入り作業する事の多い彼曰く、「薪の積み方、火のおこし方というのが雑誌で紹介されるようになるなんて、ちょっと笑ってしまう。」と。 彼にとってはそんな事は日常茶飯事で当たり前の事なので、思わず可笑しかったのだそう。 世の中には殺伐とした都会で生活していて、そういった”ideal life”を求める需要も多いのだろう。 ここから好きな木を見つけて、斧で薪を割って、その破片がスプーンになる。 とてもシンプル。 ギャラリーではスプーンの展示がされていて、興味深く拝見した。 凝ったデザインのものから、とてもシンプルなものまで。 この展示はある作家が1日1本、1年に365本のスプーンを彫ったというもので、それはそれは見応えがあった。 もっと彫りが細かかったり、大作なんかはきっと時間があった時に作ったのであろう、それに対して、時間のない時は小さな小さなさじだったりというのが伺える。笑 でも、どの1本1本も実に丁寧でドラマがあって、ただのスプーンではもはやなく、もう立派な哲学だった。 みなさんのSpoon Carvingへの熱い思いが感じられる素敵なお祭りを拝見させて頂けて本当に光栄だった。 ストールで数本気に入ったものを購入して、我が家で普段の食卓で使わせてもらいながら、フェスや作家さん達の事をふと思い出している。 長閑なPeak Districtの風景。 また、機会があったら訪れたい。
by Netherbury
| 2013-08-10 20:22
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